商品が売れると、「もう売上が入った」と思ってしまいがちである。
しかし、米国Amazon輸出ビジネスでは、商品が売れた日と、売上金が手元に入ってくる日は同じではない。
この違いを理解しておかないと、「売上は伸びているのに手元のお金が足りない」という状況になることもある。
売上は5つの段階を経て入金される

売上から日本の銀行口座へ着金するまでの流れは、大きく五つの段階に分けられる。
① 商品が売れ、売上が計上される
購入者が商品を注文し、取引が成立すると、売上がAmazon上へ記録される。
この時点では、まだ日本で自由に使えるお金になったわけではない。
② Amazon上の残高へ反映される
計上された売上は、Amazonのペイメント画面へ反映される。ここでは、現在の売上状況や入金予定額などを確認できる。
ただし、この残高がそのまま送金されるわけではない。次の段階で、さまざまな調整が行われる。
③ 手数料や返金、引当金が反映される
Amazonでは、売上から必要な金額を差し引き、送金可能な残高を計算する。
- Amazon手数料
- 返品や返金
- 引当金(留保金)
そのため、売上金額と実際に送金される金額は一致しないこともある。
「売上が100万円あったから100万円入金される」というわけではないことを理解しておこう。
④ Payoneerへ送金される
米国Amazonの売上をPayoneerで受け取る設定にしている場合、Amazonからの送金はPayoneerの米ドル受取口座へ入金される。
Amazonでは、一般的に約二週間ごとに精算が行われる。ただし、実際の送金日や送金可能額はアカウントごとに異なる。
そのため、ペイメントダッシュボードで次回送金予定日と送金予定額を確認する習慣をつけておきたい。
また、Amazonが送金を開始してから、Payoneerへ反映されるまで数営業日かかることもある。
⑤ 必要に応じて日本円へ両替する
Payoneerへ米ドルが入金されたら、必要に応じて日本円へ両替し、日本の銀行口座へ送金する。
Payoneerでは為替レートや手数料が表示されるため、送金を確定する前に確認しておこう。利用条件によって費用は異なるため、実際の画面に表示される内容を基準に判断するとよい。
引当金(留保金)とは何か
販売管理では、「引当金」「留保金」「リザーブ」といった言葉が登場する。
初心者には分かりにくいが、まずはAmazonが一時的に預かっている資金と考えればよい。
Amazonでは、返金やチャージバック、購入者からの請求などに備え、売上の一部を一定期間留保することがある。
セラーセントラルでは、「Account Level Reserve」「Deferred Transactions」などの名称で表示される場合がある。
最初は難しく感じるかもしれないが、売上から入金までの流れを理解していれば、引当金が表示されても慌てる必要はない。なくなったお金ではなく、預かられているお金である。
売上月と入金月は異なることがある
初心者が混乱しやすい点として、売上が計上された月と、実際に入金される月は一致しないことがあるという点がある。
たとえば、三月に商品が売れても、Amazonからの送金が四月になることは珍しくない。
そのため、帳簿を確認するときは、売上月と入金月を分けて考えることが大切である。
この違いを理解しておけば、「売上があるのに入金されていない」と慌てることも少なくなるだろう。
月に一度は数字を照合する
販売を続けていると、売上、送金、銀行口座への入金など、複数の数字が存在するようになる。
そのため、月に一度は数字を照合することをおすすめしたい。
- Amazon上の月間売上
- AmazonからPayoneerへの送金額
- Payoneerから日本の銀行口座への着金額
- 帳簿へ記録した金額
これらが一致しているか確認することで、記帳漏れや入力ミスにも気付きやすくなる。
この作業は、後の消費税申告や確定申告の場面でも効いてくる。毎月やっておけば数分で終わるが、一年分をまとめて照合しようとすると相当な負担になる。
「いつ自分のお金になるか」を理解する
売上管理では、「いくら売れたか」だけを見てしまいがちである。
しかし実際の事業では、売上が、いつ、どのような流れで自分のお金になるのかを理解することの方が重要である。
この流れを把握しておけば、資金管理もしやすくなり、次の仕入れ計画も立てやすくなる。
次回は、この理解を前提に──利益とキャッシュフローの違い、そして為替との付き合い方について解説する。

