アカウントの準備が終われば、次は「何を売るか」を決める段階である。
ここは、米国Amazon輸出において特に重要な工程だ。なぜなら、このビジネスは「何を売るか」で結果が大きく変わるビジネスだからである。
同じように販売していても、商品選びを間違えれば利益は残らない。反対に、売れる商品を見つけられれば、大きな広告費をかけなくても利益を積み重ねることができる。
だからこそ、商品リサーチは「仕入れ前の確認作業」ではない。利益を生み出すための土台なのである。
判断基準は3つしかない
商品リサーチで確認することは数多くある。しかし、本質は非常にシンプルである。私が商品を判断するとき、必ず確認しているのは次の3つだけだ。
価格差、回転、参入障壁。
この3つを組み合わせることで、「利益が残りやすく、継続して販売できる商品かどうか」を見極めていく。逆に言えば、どれか一つだけを見て仕入れを判断してはいけない。
① 価格差──利益の入口
価格差とは、日本での仕入価格と、米国Amazonでの販売価格との差である。
たとえば、日本で10,000円の商品が、米国Amazonでは40,000円相当で販売されていたとする。一見すると「30,000円も利益が出そうだ」と思うかもしれない。
しかし、実際にはそう単純ではない。商品を販売すると、仕入れ費用、Amazonの各種手数料、国際送料などの経費が発生する。
つまり、価格差が大きいことと、利益が大きいことは同じではない。
価格差は、あくまでも「調べる価値がある商品」を見つけるための入口である。最終的には、必要な費用をすべて差し引いた後に、いくら残るのかを確認しなければならない。
② 回転──資金が戻ってくる速さ
次に確認するのが回転である。回転とは、仕入れた商品がどのくらいの速さで売れ、仕入れた資金が戻ってくるかという考え方である。
どれだけ利益率が高くても、半年に1個しか売れない商品を大量に仕入れれば、資金は長い間在庫として眠ってしまう。
一方で、一つ当たりの利益は大きくなくても、毎月安定して売れる商品なら、売上を次の仕入れへ回すことができる。
初心者のうちは、一度に大きく利益を狙う商品よりも、安定して売れ続ける商品を優先した方が、事業は安定しやすい。
私がこれまで目指してきたのも、一攫千金の商品を一つ見つけることではない。毎月少しずつ利益を生み出してくれる「働き者の商品」を少しずつ増やしていくことである。
③ 参入障壁──利益を守る仕組み
参入障壁とは、ほかの販売者が簡単には同じ商品へ参入できない理由を指す。米国Amazonでは、ブランドやカテゴリによって出品制限が設けられていることがある。
参入障壁が低い商品は、利益が出ると分かった瞬間、多くの販売者が集まりやすい。すると価格競争が始まり、利益は短期間で小さくなってしまう。
反対に、出品制限がある商品は、販売できる人が限られるため、価格が維持されやすい傾向がある。
もちろん、初心者が最初から出品制限のある商品ばかり狙う必要はない。まずは、今の自分のアカウントで販売できる商品を見つけることが先である。
3つは必ずセットで見る
価格差が大きくても売れなければ、在庫として残る。回転が速くても利益がほとんど残らなければ、忙しいだけになってしまう。価格差も回転も良くても、競合が急増すれば価格競争に巻き込まれる。
リサーチの目的は、一番利益が大きい商品を探すことではない。長く、安定して利益を生み出してくれる商品を見つけることである。
リサーチ全体の流れ──5つのSTEP

商品リサーチは、一つの商品を詳しく調べるだけではない。候補を見つけ、確認し、仕入れるかどうかを判断するまでが一連の流れである。
STEP1 商品候補を見つける
米国Amazonには数え切れないほどの商品がある。闇雲に探しては時間がかかるだけだ。初心者には、すでに日本商品を販売している販売者を参考にする「セラーリサーチ」をすすめたい。この段階では、利益が出るかどうかまで考えなくてよい。
STEP2 一次判定で候補を絞る
候補が見つかっても、すべてを詳しく調べる必要はない。日本と米国で同じ商品か、ある程度の価格差があるか、自分のアカウントで出品できるか。この3点だけを確認する。リサーチでは、「詳しく調べる商品を減らすこと」も大切な技術である。
STEP3 売れ行き・競合・利益を詳しく確認する
一次判定を通過した商品だけを詳しく調べる。ランキングの推移、販売価格、出品者数、日本での仕入価格、Amazonの各種手数料、想定利益などを確認する。ここがリサーチの中心となる工程である。
STEP4 継続して仕入れられるか確認する
数字が良くても、それだけで仕入れてはいけない。在庫は安定しているか、毎月仕入れられるか、購入数量に制限はないか、価格は安定しているか。一度しか仕入れられない商品よりも、毎月安定して販売できる商品の方が長期的な価値は大きい。
STEP5 記録し、少量から試す
条件を満たした商品はスプレッドシートへ記録する。ただし、ここで終わりではない。最初から大量に仕入れるのではなく、まずは少量だけ販売してみる。実際の売れ方を確認し、問題がなければ少しずつ数量を増やす。これが失敗を減らす一番安全な方法である。
最初は一つの商品でいい
商品リサーチは、特別な才能や高額なツールがなければできない作業ではない。米国Amazonの商品ページ、セラーセントラル、Amazonの料金シミュレーター、価格やランキングの履歴を確認できるデータサービス、Googleスプレッドシートがあれば、初心者でも十分に取り組める。
最初から何百もの商品を調べる必要もない。まずは一つの商品について、売れそうか、利益が残りそうか、自分が販売できるか。この3つを確認できれば十分である。
次回は、その候補をどう見つけるのか──セラーリサーチの具体的な手順を解説する。

