48歳で始めて3年目に月商1,200万円──小さく始め、事業として育てる

2015年の夏、私は48歳で米国Amazon輸出ビジネスを始めた。

毎日のように深夜までパソコンに向かい、商品を探し続けていた。しかし、最初の1年間は思うような結果が出なかった。

仕入れ代金。国際送料。教材費。ツール代。お金は出ていく一方で、利益はわずかだった。「巨大市場」と聞いて始めたにもかかわらず、売れる商品はなかなか見つからない。

「市場選びを間違えたのではないか。」「自分には向いていないのではないか。」そんなことばかり考えるようになった。

しかし、今振り返ると、それは市場の問題ではなかった。私に足りなかったのは、商品を見極める力、リサーチの精度、出品できるブランド、そして販売実績だったのである。

転機が訪れたのは3年目だった。それまで積み重ねてきた売れる商品リスト、販売データ、仕入先、出品できるブランドが少しずつ結びつき始めた。そして3年目の年末商戦。販売実績のある商品に仕入れを集中させた結果、月商1,200万円を達成した。

もちろん、誰もが3年で同じ結果になるという意味ではない。重要なのは、「最初に結果が出ないことは、決して珍しいことではない」ということである。

事業の基本は、いつまでも変わらない

事業規模がどれほど大きくなっても、基本的な流れは驚くほどシンプルである。

商品を探す。仕入れる。米国AmazonのFBA倉庫へ納品する。商品が売れる。売上を受け取る。売れた商品を補充する。

月商10万円でも、月商3,000万円でも、この流れそのものは変わらない。変わるのは、取り扱う商品数、仕入額、作業量、資金管理、そして事業を支える体制である。

つまり、「大きな会社だけが違う仕事をしている」のではない。同じ仕事を、より大きな規模で行っているだけなのである。

最初の目標は「一連の流れ」を経験すること

始めたばかりの頃は、売上を追いかける必要はない。

まず経験してほしいのは、商品を探し、少量仕入れ、FBAへ納品し、商品が売れ、利益を確認するという一連の流れである。

この経験は、本や動画を見るだけでは身につかない。実際に一度やってみることで、「こういう流れなのか」という感覚が初めて身につく。

だから私は、最初から大量仕入れを勧めることはない。利益が小さくても構わない。まずは最後までやり切ること。それが次の一歩につながる。

商品が一度売れたら、それで終わりではない。継続して売れることが確認できたら、少しずつ補充数量を増やしていく。その頃には、出品できるブランド、売れた商品、仕入先、仕入価格、販売価格、利益率、販売実績といったデータが自然と蓄積されていく。

このデータこそが、事業の財産になる。「勘」ではなく「実績」をもとに判断できるようになるからである。

規模を広げる4つのSTEP

事業を成長させるためには、売上だけを増やせばよいわけではない。特に重要なのは、次の4つだと考えている。

STEP1 ポイントを活用する
仕入れ時に獲得したポイントを次回の仕入れへ回すことで、資金効率を高められる。小さな積み重ねだが、長く続けるほど効果は大きくなる。

STEP2 消費税還付を資金計画へ組み込む
事業規模が大きくなると、仕入れ時に支払う消費税も増える。制度を正しく理解し、必要な届出や申告を行うことで、資金繰りの改善につながる場合がある。ただし、還付ありきで事業計画を立てるのではなく、制度を理解したうえで活用する姿勢が大切である。

STEP3 仕入先を増やす
販売実績が増えてきたら、小売だけでなく、卸業者、メーカー、展示会など仕入先の幅も広がっていく。ただし、すべてを卸へ切り替える必要はない。ポイント還元やセールを含めれば、小売から仕入れた方が利益を出せる商品もある。

STEP4 年末商戦を活用する
米国Amazonでは、年末商戦になると売上が通常月の数倍へ伸びる商品もある。ただし、この時期だけ急に仕入れを増やすのではない。普段から売れている商品、十分な販売実績、安定した仕入先。こうした準備があってこそ、大きな成果につながる。年末商戦は、「準備してきた人が結果を伸ばす時期」なのである。

副業期・専業期・法人経営期の目安

副業期・専業期・法人経営期の規模の目安

以下の数字は、あくまで一つの目安である。取り扱う商品や利益率、資金力、販売経験によって事業規模は大きく変わる。

副業期
仕入資金:20万〜50万円程度(クレジットカード利用を含む)/月売上:30万〜100万円程度/月粗利益:3万〜15万円程度。

この時期に最も重要なのは売上ではない。一連の流れを自分の力で経験することが、何よりも大きな財産になる。

専業期
仕入資金:100万〜300万円程度/月売上:200万〜500万円程度/月粗利益:30万〜80万円程度。

この段階では、在庫回転率、資金繰り、クレジットカードの支払日、Amazonからの入金日など、お金の流れ全体を管理することも重要になる。

法人経営期
月間仕入額:500万〜1,000万円程度/月売上:800万〜2,000万円程度/月粗利益:150万〜400万円程度。

梱包、発送、データ入力、リサーチなどをスタッフと分担し、税理士や物流会社、金融機関とも協力しながら事業を運営していくことになる。

順番を間違えないこと

売れるかどうか分からない商品を大量に仕入れることと、売れることが分かっている商品を増やすことは、まったく意味が違う。

事業を大きくするのは、「売れる仕組み」ができてから。これが失敗を避けるための大切な考え方である。

焦って大量仕入れをする必要はない。一つずつ販売し、データを取り、改善を繰り返す。一見すると地味な積み重ねだが、その経験こそが、数年後の大きな成果につながっていく。

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