商品を仕入れて販売する。この行為だけを見ると、買い占め型転売と米国Amazon輸出ビジネスは同じように見えるかもしれない。
だからこそ、この違いについては、最初にはっきりとお伝えしておきたい。私は、この二つは本質的に異なるものだと考えている。
その理由は、「誰に、どのような価値を提供しているのか」がまったく違うからである。
なぜ買い占め型転売は批判されるのか
買い占め型転売が社会的に批判される理由は、大きく三つある。
一つ目は、本来購入できたはずの人から購入機会を奪ってしまうことである。生活必需品や人気商品を大量に買い占めれば、本当に必要としている人が適正な価格で購入できなくなる。
二つ目は、新しい価値をほとんど生み出していない場合があることである。同じ国内市場で商品を買い、そのまま価格だけを上乗せして販売するだけでは、購入者に新たな利便性を提供しているとは言い難い。
三つ目は、メーカーや正規販売店が築いてきた流通を混乱させてしまう可能性があることである。
重要なのは、「商品を販売すること」そのものではない。どのような価値を生み出しているのか。そこが本質なのである。
米国Amazon輸出ビジネスが提供している価値

一方、米国Amazon輸出ビジネスは、買い占め型転売とは考え方そのものが異なる。
日本では普通に購入できる商品でも、海外では手に入りにくいものが数多くある。海外の購入者は、その商品が欲しくても、近くの店舗では購入できない。日本語で注文することも、日本国内の販売店から直接購入することも簡単ではない。
そこで、日本の商品を適切な方法で仕入れ、海外へ届ける販売者が必要になる。
つまり私たちは、単に商品を販売しているのではない。「日本の商品を必要としている海外の購入者へ届ける」という役割を担っているのである。
もちろん、商品を海外へ届けるためには、多くの仕事がある。
- 売れる商品を調査する
- 日本国内で商品を仕入れる
- 商品を検品する
- FBAへ納品するための準備を行う
- 国際発送の手続きを行う
- Amazonのルールに沿って販売を管理する
こうした作業を経て、初めて海外の購入者へ商品が届く。
購入者が支払っているのは、商品代金だけではない。日本では当たり前に手に入る商品を、安心して購入できる環境そのものにも価値を感じているのである。
日本・海外・販売者の三者にメリットがある
適切な方法で輸出ビジネスを行えば、この仕事は三者にメリットをもたらす。
まず、海外の購入者は、日本でしか手に入りにくい商品を購入できる。次に、日本のメーカーや販売店には、新たな販売機会が生まれる。そして販売者は、その橋渡しをすることで利益を得られる。
これは正に、売り手よし、買い手よし、世間よしの3つを大切にする近江商人の「三方よし」という商売の考え方そのものである。
私は、この関係こそが米国Amazon輸出ビジネスの本質だと考えている。
誰かの機会を奪うのではなく、新しい購入機会と販売機会をつなぐこと。それが、この仕事の価値なのである。
長く続けるために大切なこと
もちろん、この仕事を続ける以上、守らなければならないこともある。
Amazonのルールを守ること。知的財産権や各種法令を尊重すること。そして、購入者に安心して商品を届けること。
目先の利益だけを追いかければ、一時的に売上を伸ばせることがあるかもしれない。しかし、そのような方法では長く事業を続けることは難しい。
だから私は、「利益よりも、信頼を積み重ねること」を大切にしている。
信頼は一日では築けない。しかし、一つひとつの取引を誠実に積み重ねることで、少しずつ事業の土台になっていく。
まずは、一つ売ってみることから
米国Amazonは、世界最大級の販売市場でありながら、個人でも挑戦できる環境が整っている。
市場の大きさ。円安という追い風。FBAの仕組み。日本語の管理画面。そして、日本の商品を求める海外の購入者。
こうした条件がそろっているからこそ、日本にいながら海外へ商品を販売するという選択肢が現実のものになっている。
もちろん、お伝えしたいのは「簡単に稼げる」という話ではない。売れる商品を探し、利益を計算し、仕入れ、発送し、改善を繰り返す。その積み重ねが、少しずつ事業を育てていく。
まずは一つの商品を調べること。一つ仕入れること。一つ発送すること。そして、一つ売ること。
その小さな経験の積み重ねが、やがて大きな自信へと変わっていく。

