米国Amazon販売を始めるために必要な準備は、たった3つだけ

前回は、米国Amazon市場の規模やこのビジネスの仕組みについて説明した。ここからは、いよいよ販売を始めるための準備に入っていく。

とはいえ、身構える必要はない。ここで行うのは「土台づくり」である。実際に商品を販売したり発送したりするわけではなく、まずは販売できる環境を整えることが目的だ。

準備するのは3つのアカウントだけ

販売開始までに準備する3つのアカウントの流れ

米国Amazonで販売を始めるための準備は、大きく分けると3つしかない。

① 日本Amazonの大口出品アカウント

まず準備するのが、日本Amazonの出品者用アカウントである。このアカウントを起点に「Amazonグローバルセリング」を利用し、米国Amazonへ販売地域を広げるのが基本の流れになる。

すでに大口出品アカウントを持っている方は、新しく作り直す必要はない。登録内容が現在も正しいか確認できれば、そのまま次へ進めばよい。

② Payoneerの米ドル受取口座

米国Amazonで商品が売れると、売上は米ドルで支払われる。その売上を受け取るために利用するのがPayoneerである。米ドルの受取口座を開設し、その口座情報を米国Amazonへ登録する。その後、必要なタイミングで日本円へ両替し、日本の銀行口座へ送金する流れになる。

③ 米国Amazonの出品アカウント

最後が、米国Amazonの出品アカウントである。日本AmazonとPayoneerの準備が終わったら、グローバルセリングを利用して登録を進める。

図にすると、流れは非常にシンプルである。

日本Amazonの大口出品アカウント → Payoneerの米ドル受取口座 → 米国Amazonの出品アカウント

販売開始までのロードマップ

販売を始めるまでの流れも、決して複雑ではない。全体像を見てしまえば、やるべきことは次の6つだけである。

  1. アカウントを準備する
  2. 売れる商品をリサーチする
  3. 米国Amazonへ商品を登録する
  4. 商品を仕入れる
  5. 商品を梱包し、米国へ発送する
  6. 必要に応じて価格調整や在庫管理を行う

今回取り組むのは、この中の最初の一歩である。つまり「アカウントを準備する」ここだけに集中すればよい。

先のことまで覚えようとすると、情報量が多くなり、かえって手が止まってしまう。今は「販売できる環境を整えること」だけを目標にして進めてほしい。

各工程の所要時間と習熟の目安

「実際にはどのくらい時間がかかるのだろう」と思われた方もいるかもしれない。個人差はあるが、おおよその目安を知っておくと、必要以上に焦らずに済む。

工程習熟の目安つまずきやすいポイント
アカウント準備1〜2週間程度書類不備、氏名・住所・名義の不一致
商品リサーチ1〜3か月程度販売数、価格履歴、出品規制の見方
商品の仕入れ数回の実践「本当に売れるのか」という不安
梱包・発送数回の実践インボイス、ラベル、梱包方法
販売・在庫管理約1週間管理画面、価格変更、在庫管理

ここで紹介した期間は、あくまで目安である。使える時間や販売経験、審査状況によって前後することも珍しくない。

しかし、一つだけ覚えておいてほしいことがある。早く進めることより、正しく進めることの方が重要である。特にアカウント登録は、一度丁寧に確認するだけで、後から何日、場合によっては何週間ものやり直しを防げることがある。

先に知っておきたい3つの「止まりやすいポイント」

米国Amazon輸出を始めた人の多くは、途中で「何か間違えたのでは……」と不安になる場面を経験する。しかし、その多くは初心者なら誰でも通る道である。今は解決方法まで覚える必要はない。「こういう場面があるんだな」と知っておくだけで十分である。

① 書類審査で止まる

最も多いのが、本人確認書類や住所確認書類の確認で止まるケースである。登録画面には建物名を入力したが銀行明細には記載がない、部屋番号の表記が異なる、英語住所の並び方が登録ごとに違う──人が見れば同じ住所だと分かる内容でも、審査では別の情報として扱われることがある。

② 最初の売上が立たない

登録が終わり、商品を発送しても、すぐに売上が発生するわけではない。出品登録、FBAラベル、梱包、国際発送を経て、FBA倉庫へ到着して初めて販売できる状態になる。登録から最初の売上まで約1か月程度かかるケースも決して珍しくない。最初の数週間、売上がないからといって焦る必要はない。

③ 初めてのトラブル

返品、配送中の破損、在庫数の違いなど、初めて経験する出来事に出会うこともある。しかしこれは「自分だけに起きた問題」ではない。まずAmazonから届いた内容を確認し、必要な書類を準備し、必要であればAmazonサポートへ相談する。慌てて推測で対応する必要はない。

すべてを一度に覚える必要はない

登録画面では、一つ入力すると次の項目へ進むという流れになっている。私たちは、その順番に沿って一つずつ進めればよいだけである。

私も最初は「この項目は何を入力するのだろう」「この書類で本当に合っているのだろうか」と何度も手を止めながら進めていた。大切なのは、最初に全部理解することではなく、一つずつ登録を進めることである。

次回は、登録作業を始める前にそろえておきたい情報と書類について解説する。この事前準備が、実は登録作業そのものよりも重要である。

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