商品ラベルを貼り終えたら、いよいよ発送用の段ボールへ本梱包を行う。
本梱包の目的は、商品を日本から米国AmazonのFBA倉庫まで、安全な状態で届けることである。
国際輸送では、荷物の積み替えや長距離輸送が行われるため、国内配送よりも商品へ負荷がかかる場面が多い。
そのため、「箱に入ればよい」という考えではなく、輸送中に商品が動かず、破損しない状態をつくることを意識して梱包したい。
① 重い商品は下、軽い商品は上
梱包するときは、重量のある商品を箱の下へ、軽い商品や潰れやすい商品を上へ配置する。
重い商品を上へ載せると、輸送中の揺れや衝撃で下の商品を押し潰してしまう可能性がある。
また、サイズや形状が異なる商品を同じ箱へ入れる場合は、段ボールの切れ端などを利用して仕切りを作り、商品同士が直接ぶつからないようにすると安心である。
ほんの少しの工夫で、輸送中の破損リスクを大きく減らせる。
② 箱の隙間をなくす
商品を箱へ入れたら、空いている隙間へ緩衝材を詰める。代表的な緩衝材としては、プチプチ、紙製の緩衝材、段ボールの切れ端などがある。
緩衝材の種類よりも大切なのは、輸送中に商品が動かないことである。
梱包が終わったら、箱を軽く揺らしてみよう。中の商品が動く音や感触がある場合は、まだ緩衝材が不足している可能性がある。商品がしっかり固定されるまで調整することをおすすめする。
③ 段ボールをしっかり補強する
商品を詰め終えたら、段ボールをテープで確実に閉じる。特に底面は、重量が集中するため重要な部分である。
中央を一本貼るだけでは、輸送中の衝撃で底が開いてしまうこともある。そのため、底面・上面ともに、H字貼りまたは十字貼りで補強することをおすすめする。
国際輸送では、荷物が何度も積み替えられる。落下や振動だけでなく、荷物同士が押し付けられることも珍しくない。
「国内配送なら大丈夫」という梱包ではなく、海外輸送を前提とした強度を意識しておくと安心である。
④ 一箱の重量を意識する
FBAへ納品する段ボールには、重量の上限が設けられている。本稿執筆時点では、50lb(約22.6kg)が1箱あたりの実重量の上限となっている。実際の発送では、必ずセラーセントラルに表示される最新の条件を確認してほしい。
私自身は、安全に作業する目安として、一箱20kg以下に抑えるよう心掛けている。
重量を抑えることで、梱包作業だけでなく、集荷や搬入時の負担も軽くなる。また、重量超過によるトラブルも防ぎやすくなる。
無理に一箱へ詰め込むより、必要に応じて箱を分ける方が、安全で確実な発送につながる。
外箱に貼るラベルは2種類ある
段ボールを閉じたら、最後に箱の外側へ必要なラベルと書類を取り付ける。
ここで初心者が混同しやすいのが、FBA外箱ラベルとクーリエの運送状である。これらはそれぞれ別の目的のラベルであり、どちらも発送には欠かせない。
① FBA外箱ラベル
Amazonが「どの納品プランの、どの箱なのか」を識別するためのラベルである。FBA納品プランを作成すると出力できるようになり、発送するすべての段ボールへ貼り付ける。
貼る位置にも注意が必要である。段ボールの継ぎ目、角、テープの上など、バーコードが読み取りにくくなる場所は避けたい。できるだけ平らな面へ貼ることで、Amazon倉庫での受領作業がスムーズになる。
② クーリエの運送状
DHL、FedEx、UPSなどの配送会社が荷物を輸送するためのラベルである。発送元、配送先、追跡番号などが記載されている。
運送状は、配送会社が指定する透明パウチへ入れ、段ボールの外側へ貼り付けることが一般的である。
また、発送方法や商品によっては、インボイスや各種規制書類を追加で同封する場合もある。書類を箱の中へ入れるのか、パウチへ入れるのか、電子データで提出するのかは、利用するクーリエや発送代行業者の案内に従ってほしい。
発送前には、FBA外箱ラベルと運送状の両方が貼られていることを必ず確認しよう。
梱包作業を「作業」と呼ぶ前に
輸出を続けていると、毎月10箱、20箱と発送することも珍しくなくなる。最初のうちは「面倒な作業だ」と感じる人も多いだろう。
私は、梱包の時間を心を整える時間だと考えている。朝、BGMを流しながら、商品へラベルを貼り、緩衝材を詰め、段ボールを閉じる。手は動かしているが、頭は自然と整理されていく。
もちろん、事業規模が大きくなれば、梱包作業を外注することも合理的な選択である。しかし、最初のうちは、できるだけ自分の手で商品へ触れてほしい。
実際に梱包してみると、思っていた以上に外箱が弱かったり、商品サイズが想像と違ったり、予想より重かったり軽かったりと、画面上の情報だけでは分からないことが数多く見えてくる。
こうした経験は、次回以降のリサーチや仕入れ判断にも役立っていく。私自身、月商100万円程度までは、できるだけ自分で梱包することをおすすめしている。商品を知ることは、販売者として成長する近道だからである。
次回は、クーリエと発送代行業者の選び方、インボイスやHTSコード、関税について解説する。

