50万円を仕入れて30万円を失った話──仕入れを決める5つの判定基準

商品リサーチで一番危険なのは、特別なツールを使っていないことでも、経験が少ないことでもない。「思い込み」を事実だと信じてしまうことである。

これは、私自身が経験した失敗だ。

3か月で1個しか売れなかった

以前、ある日本製の家電を見つけた。日本では約10,000円で販売されていたが、米国Amazonでは40,000円前後で出品されていた。価格だけを見ると、日本の約4倍である。

「これは間違いなく利益が出る。」

そう考え、50個、合計50万円分を仕入れた。

ところが、米国Amazonへ納品してから3か月が経っても、売れたのはわずか1個だった。

在庫は積み上がり続け、売るためには何度も値下げを繰り返すしかなかった。最後は仕入価格を下回る価格で販売することになり、50万円かけて仕入れた商品から手元に戻ってきたのは約20万円。結果として、約30万円の損失になった。

失敗の原因は一つではなかった

振り返ると、原因は複数あった。

まず、私は価格差だけを見ていた。本来確認すべきだった「回転」を見ていなかったのである。実際には3か月で1個しか売れなかった。その商品を50個も仕入れれば、在庫が残るのは当然だった。

さらに、表示されていた40,000円という価格を「実際に売れている価格」だと思い込んでいた。しかしその価格は一部の販売者が設定していただけで、継続して売れている価格ではなかった。本当に確認すべきだったのは、「その価格で売れているかどうか」だった。

もう一つの失敗は、価格や出品者の推移を調べなかったことだ。過去のデータを見ていれば、その価格が一時的な在庫切れによるものだったことに気付けたかもしれない。

そして何より大きな失敗は、販売テストをしなかったことである。最初に2個、3個だけ仕入れて販売していれば、売れ行きを確認してから追加で仕入れる判断ができた。30万円という損失は防げた可能性が高い。

この話を読んで「50万円も仕入れる資金が必要なのか」と思う必要はない。伝えたいのは、その逆である。初心者ほど、最初から大きく仕入れてはいけない。

仕入れを決める5つの判定基準

仕入れを決める5つの判定基準

この失敗を経て、私は仕入れ前に必ず5項目を確認するようになった。すべての商品の答えが同じになるわけではないが、この5つを確認するだけでも失敗は大きく減らせる。

判定基準① 粗利益率が10%以上あるか

まず確認したいのが利益率である。粗利益率10%以上を一つの目安としている。

利益率が低すぎる商品は、価格競争や送料の変動が起きただけで赤字になる可能性がある。余裕を持った利益を確保できる商品を選びたい。

判定基準② 継続して売れているか

利益率だけでは十分ではない。ランキングの推移を確認し、一定の頻度で販売されている商品を候補として残す。

たとえば、一か月の中で何度もランキングが動いている商品は、継続的に販売されている可能性が高い。

判定基準③ 競合が多すぎないか

出品者が多すぎる商品では、販売機会が減り、価格競争にも巻き込まれやすい。一方で、出品者が極端に少ない商品も、何らかの理由で売れていない、または売ることができない可能性がある。

そのため私は、FBA出品者が3〜10名程度の商品を一つの目安としている。絶対的な基準ではなく、比較するときの目安である。

判定基準④ 継続して仕入れられるか

利益が出ても、一度しか仕入れられない商品では事業として継続しにくい。売れた後も補充できるか、在庫は安定しているか、購入数量に制限はないか、価格は安定しているか。

私が大切にしているのは、一回だけ利益が出る商品ではなく、毎月利益を生み出してくれる商品である。

判定基準⑤ 自分のアカウントで販売できるか

価格差も利益率も問題なく、継続して仕入れられる商品でも、出品できなければ販売はできない。仕入れる前には必ずセラーセントラルで確認する。

もし出品許可が必要なら、その商品は保留にし、まずは販売できる商品から実績を積み重ねよう。

仕入れ前チェックリスト

仕入れ前には、次の項目を確認しておこう。

  • 日本と米国で同じ商品である
  • 十分な価格差がある
  • 実際に売れている価格帯である
  • 継続的に売れている
  • 出品者数が多すぎない
  • 仕入れ価格、Amazon手数料・諸経費などを差し引いても利益が残る
  • ポイントを含めない利益でも黒字になる
  • 継続して仕入れられる
  • 自分のアカウントで販売できる
  • 最初から大量に仕入れない

このチェックをすべて満たしたとしても、必ず利益が出るとは限らない。

だからこそ、最初は少量だけ仕入れ、実際の販売結果を見ながら数量を増やしていくことが大切である。

直感は大切だ。しかし、直感だけで仕入れるのではなく、数字で裏付けを取る。その習慣が、大きな失敗を防いでくれる。

次回は、「売れそうな商品を見つけたのに出品できない」という、初心者が必ず一度は経験する場面について解説する。

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