同じ商品でも、「何を買うか」だけでなく、「いつ買うか」によって利益は大きく変わる。
ECモールでは大型セールやポイントキャンペーンが定期的に開催される。また、米国Amazonでも需要が大きく伸びる時期がある。
こうした年間の流れを理解しておくことで、より効率よく仕入れや販売の計画を立てられるようになる。
日本側の主な仕入れイベント
国内ECモールや日本Amazonでは、一年を通してさまざまなセールやポイント還元イベントが開催される。
ECモールでは、買い回りイベント、定例のポイント還元日、年に数回の大型セールなどが代表的である。
また、日本Amazonでも、プライムデー、ブラックフライデー、年末セール、その他の大型セールなどが開催される。
こうしたイベントでは、通常より高いポイント還元や割引価格で購入できることもある。
ただし、イベント内容や対象商品、還元条件は毎年変更される可能性がある。前年の情報だけで判断せず、必ずその年の公式情報を確認するようにしたい。
イベント当日ではなく、事前に準備する
初心者によくある失敗が、イベント当日に商品を探し始めることである。
これでは、価格確認や利益計算をしている間に、在庫がなくなってしまうことも少なくない。
私は、イベント前に次の流れで準備するようにしている。
- リサーチする
- 候補商品リストへ登録する
- 通常価格と在庫状況を記録する
- イベント内容とポイント条件を確認する
- 注文前に米国Amazonの価格・出品者数を再確認する
- 必要な数量だけ仕入れる
重要なのは、イベントだから商品を探すのではなく、すでに候補になっている商品をイベントに合わせて購入するという考え方である。
通常価格を記録しておくことにも意味がある。イベント価格が本当に安いのかどうかは、普段の価格を知らなければ判断できないからだ。
また、一度に大量購入すると、クレジットカードの引落額も大きくなる。ポイントだけを目的に、必要以上の在庫を増やさないよう注意したい。
米国Amazonにも需要が高まる時期がある
仕入れだけではなく、販売のタイミングも利益に大きく影響する。米国では、年間を通して需要が高まるイベントがある。
- 6〜7月頃のプライムデー
- 7〜9月頃のバックスクール商戦
- 10月のハロウィン商戦
- 11月の感謝祭・ブラックフライデー・サイバーマンデー
- 年末商戦
商品によっては、通常期と比べて販売数が大きく伸びることもある。
一方で、年末商戦終了後は需要が落ち着く商品もある。すべての商品が同じように売れるわけではないため、自分が扱う商品の販売履歴を確認することが大切である。
年末商戦は、なぜ利益を伸ばしやすいのか
年末商戦が利益を伸ばしやすい理由は、需要が一気に高まるからだけではない。
商戦期には、多くの販売者が商品をFBA倉庫へ発送するため、物流全体が通常より混み合う。
その一方で、購入者は「この日までに必ず商品が欲しい」という希望を持っていることが多い。
その結果、FBAへ納品済みの商品が選ばれやすくなり、価格が上昇する商品もある。米国Amazon輸出ビジネスにおける年末商戦では、通常時の数倍の売上と、高い利益率が見込めるのはこのためである。
つまり、年末商戦の成果を決めるのは、商戦期の行動ではない。その前にFBA倉庫へ在庫を届けられているかどうかである。
この流れを理解している販売者は、年末商戦が始まる前から計画的に在庫を準備している。経験を積めば、この流れは実感として分かるようになるだろう。
初心者はイベントを理由に大量仕入れしない
大型イベントを見ると、「今のうちにまとめて仕入れた方が得なのではないか」と考えてしまうかもしれない。
しかし、販売実績がない商品を大量に仕入れることには、次のようなリスクがある。
- 売れずに在庫が残る
- 出品者が増えて価格が下がる
- 需要が変化する
- カードの支払いが先に来る
- ポイント上限を超えて想定より還元が少なくなる
- 期間限定ポイントを使い切れない
初心者のうちは、イベントよりも少量販売を経験することを優先した方がよい。
販売実績が積み重なってから、前年の販売数や現在の在庫状況を参考に、繁忙期の仕入れを計画していこう。年末商戦は「準備してきた人が結果を伸ばす時期」であって、「初心者が一発逆転する時期」ではない。
仕入れで大切なこと
ここまで、仕入れの判断から資金管理、イベント活用までを見てきた。
重要なのは、安く仕入れることではなく、利益を残せる仕入れをすることである。
そのためには、注文直前の再確認、少量から始めること、仕入れ先の使い分け、ポイントの活用、クレジットカードによる資金管理、年間イベントの活用といった考え方を組み合わせることが大切になる。
また、ポイントは利益を増やす手段ではあるが、利益のない商品を黒字へ変えるためのものではない。まず利益が出る商品を選び、そのうえでポイントを積み重ねる。この順番を守ることが、長く事業を続けるための基本になる。
次回からは、仕入れた商品を米国へ送る準備──商品登録、ラベル貼付、梱包、発送手配まで、FBA納品の流れを一つずつ解説していく。

