米国Amazonの市場規模は日本の14倍──個人が自宅から世界へ販売する時代

かつて、海外へ商品を販売するには、メーカーや商社のような大きな企業でなければ難しいと考えられていた。

しかし現在では、Amazonの販売基盤と物流網を活用することで、個人でも自宅から海外へ商品を販売できる時代になっている。

だからといって、「市場が大きいらしい」「円安だから有利らしい」という漠然とした期待だけで始めるべきではない。ビジネスとして取り組む以上、どのような市場なのかを理解しておくことが重要である。

米国Amazonの年間売上は約68兆円

米国の巨大EC市場と国際物流のイメージ

2025年のAmazon Form 10-Kによると、米国Amazonの年間売上は約4,263億ドルである。為替を1ドル160円として換算すると、およそ68兆円になる。

一方、日本Amazonの年間売上は約306.88億ドル、同じ為替レートで約4.9兆円。つまり米国Amazonは、日本Amazonの14倍以上の市場規模を持っている。

大きい市場だからこそ、すべてを相手にしなくてよい

68兆円という数字はあまりに大きく、実感が湧きにくいかもしれない。

しかし、この数字から本当に理解してほしいことは、市場の大きさそのものではない。市場が大きいからこそ、すべてを相手にする必要がないという点である。

たとえ月商100万円を達成したとしても、市場全体から見ればごくわずかな割合にすぎない。逆に言えば、巨大な市場のほんの一部を獲得するだけでも、十分にビジネスとして成立する。ライバルが増えても市場が飽和しにくい理由も、ここにある。

すでに購入者が集まっている売り場を利用できる

米国Amazonで販売する最大の魅力は、海外向けのECサイトを持つことではない。すでに多くの購入者が集まっている巨大な売り場へ、自分の商品を並べられることにある。

自分でECサイトを立ち上げるなら、サイト制作、集客、決済、信用、配送体制、返品対応まで、すべてを自分で準備しなければならない。

一方Amazonには、販売ページ、決済、レビュー、配送、返品といった仕組みが最初から用意されている。限られた時間と資金で始める個人にとって、これは非常に大きなメリットである。

米国EC市場におけるAmazonの存在感

日本では楽天市場やYahoo!ショッピングなど複数の大手ECモールがあり、利用者も分散している。一方、米国ではAmazonの存在感が圧倒的に大きい。

2024年の推計では、米国の小売EC売上の約4割をAmazonが占めている。2位のWalmartは約8%であり、その差は大きい。ネット通販で使われる10ドルのうち4ドルがAmazonで使われている、と考えれば規模が想像しやすいだろう。

買っているのは、米国の購入者だけではない

自国向けAmazonの品ぞろえが少ない国や、Amazon自体が展開されていない国では、米国Amazonから商品を探す人も少なくない。タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピンなどがその例である。

つまり米国Amazonへ出品することは、約3億3,000万人の米国市場だけでなく、その先にいる世界中の購入者へ商品を届けられる可能性を持つということである。

もちろん、配送可能地域や規制、送料などによって販売範囲は変わる。それでも、米国Amazonが米国内だけの市場ではないことは、大きな魅力である。

市場は今も広がり続けている

2024年の売上は約3,875億ドルだったが、2025年には約4,263億ドルへ拡大した。1ドル160円換算では、1年間で増えた売上が約6〜7兆円。日本Amazonの年間売上規模を上回る市場が、わずか1年で新たに生まれたことになる。

成熟しきって縮小している市場では、新規参入者のチャンスは限られる。しかし成長している市場では、新しい需要も生まれ続ける。だからこそ、これから挑戦する人にも十分な可能性が残されている。

まずは、商品を1つ検索してみる

最初から何百万円もの売上を目指す必要はない。

まずは、自分が知っている日本の商品を一つ検索してみる。その商品が米国ではどのように販売されているのかを確認する。その小さな一歩が、米国Amazon輸出ビジネスのスタートになる。

次回は、数あるビジネスの中で、なぜ米国Amazon輸出をおすすめするのか、6つの理由を解説する。

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